こんにちは!! 俺、マコトっていいます。
今‥俺は、みなみトウマっていう、俺と同じような境遇の子と帰宅中でっす!
彼女は、みなみに強制的に弟にさせられました。
俺は……ハルカさんの弟になりたい…って、そんなんじゃないから!
「何…慌ててんだ?」
「ななな何でもない!!」
「ふぅん…なぁ? あのカナって人は、いつもああなのか?」
まぁ…いつもああとは限らないけど、明るいよなぁ…同じ姉妹になんか見えないよ。
「へぇ…俺‥急にあんな事されて、凄く恥ずかしかった…」
俺もなんか恥ずかしかった。
 確認なんてしたら、明日からみなみに『おかしな人』って呼ばれるに決まってる!!
おかしなことは、是非ともハルカさんと…って! また俺何考えてんだ!?
「お前…おもしろいやつだな…」
うおっ!? 笑顔がか‥かわいい! でも、俺にはハルカさんが…ってバカ!
…………ん?
雨……か。まいったな‥どっかで雨宿り出来るところは……と。
「あっちだ! 急ぐぞ。濡れたくないから」
…まぁ、同じことを考えるよね、普通。
「あちゃー…びしょびしょだぁ…」
ヒドいなぁ…髪までベチャベチャだっ!
「なんか…寒い」
!? 風邪ひいちゃうぞ? どうしよう?
い‥いちおう俺の服着とく?
「い‥いいの?」
いいから、いいから。遠慮すんな。
「あ…ありがと」
………寒い。格好つけるんじゃなかったよ。
「…寒そうだな? ほら…」
お前…半分わけてくれるなんて、いいやつだ!
「お前…あったかいな」
俺もあったかいぞ!
 「早く…止むといいな」
うん。早くしないと怒られるしね。

ぐぅ〜〜〜〜

「腹…減った?」
もちろん! オナカとセナカがくっつきそうだよ。ついでに恥ずかしい。
「ほら…ポケットに入ってた。あげるよ」
ガム? ありがたし!!
 …うーん、口いっぱいに広がるブルーベリー。
「止まないな…。むしろ‥ひどくなってる」
ホントだ…。どうしよう?
「お前の家は…ここから近いの?」
まあ‥近いって言えば近いさ。そういうお前はどうなんだ?
「近いよ? でも‥この雨の中走ってまで帰りたくはない」
…同感だっ!
「それに…」
…それに、何?
「…ここに居れば、話し相手に困らないし」
確かに。俺も助かる。
「……服、乾かないなぁ…」
えっへん! 上着がキャミ一枚の俺はもう乾いたぜ!!
「そうだ…話変わるけど、何で女装なんかしてんだ?」
女の子ばかりの家で俺がいたら浮くから。これじゃ…ダメ?
「アハハハ!! …やっぱおもしろいよ、お前」
……こいつの顔見てたら、何だかドキドキしてきた。俺には‥ハルカさんがいるってのに!
「? どうした?」
何? これってもしかして俺…トウマに恋してる? なんてこった!!
マコト一生の不覚! ハルカさん、俺はアナタを裏切ってしまいました…。

ゴロゴロ……ドガッ! ………ドーン!!

!!? か‥雷? ビックリした………って、おい!! トウマ! 何してんだ!
「………か‥かみなりだけは、昔から苦手なんだ…」
だからって、抱きついていいのかよ!? がっ…イタいイタい!!
「うわっ!? ま‥まただ……こ…こわいよ…」
怯え過ぎだよ! 息かなり荒いし…っていうか、結構かわいい弱点だよな…。
「何見てんだよ! は‥恥ずかしいだろ?」
顔真っ赤にして…めったに見れそうにないや。…イタズラしてみるか?
「うぅ……。 !! 待って! 置いていかないで!!」
…なんてかわいい顔してんだ‥キミぃ!!
チクショ〜‥万年首位だと思っていたハルカさんの地位を脅かすとは…。
「…グスン……うう…」
あれ? …泣いてる? なんで?
「…ゴメン。置いてかれると思ったから……安心したら泣けてきた」
………決めた! 守ってやる!!
「なぁ……どこにも行くなよ?」
全力でそれは無いと誓う。絶対!
「よかった…あ…っ……」
…何だい?! ど、ドキッとしたよ!?
「ななな何でも無いっ!!」
ギャッ!! だからイタいって!
「……ひゃう!?」
!!? どうしたんだコイツ? さっきから変な声あげて。
「はぁ…ぁ…お前ワザと……してるのか?」
? そんなつもりは全く無いけど…
「なら、どうしt…やぁ……っ」
わっ!? 抱きつくなって! 恥ずかしいの!!
「なんか……ぁん…おかしくなり‥そう」
だから何が!!
「もう‥だ……め…」
お…おい? だ、大丈夫か!?
「はぁ…はぁ……お前…俺の首に息吹きかけやがって…」
…首弱いの? へぇ…いいこと聞いた♪ ふぅ〜
「!!? こらっ! てm…!!」
!? !!!!!!!
「あっ…わ‥へ?」
…状況が飲み込めないよ?
 確か‥俺がトウマの首に息吹きかけたら、トウマがこっち向いて…それで……
「……せ…」
‥ん? 聞き取れない。
「…責任取れ」
??
「お前…キスしたもん…」
…………やっちまった!! 大人の階段登っちまった!!! 子供ができちゃうよ!?
「……いいよ」
? 何が?
「……お前との子供ならいいよ…」
!!? なっ…なんてことを言うんだ!!
俺‥子供だから、まだ結婚できないよ!?
「…いい。責任取ってくれるなら…」
………………………わかった。俺も男だ。結婚しよう!!
「なら……その……もう一回」
‥何を?
「何回も言わすな! んっ………。 ぷはぁ…バカ…」
!? ああ…キスのことね。…なんで落ち着けるの俺?
 ハルカさん‥俺なんかはあきらめて、幸せになって下さい。
「ふう…………あっ…雨止んだぞ?」
ホントだ…帰ろうか?
「…うん」
……何、もじもじしてるの?
「…責任。手ぇ…つなげ」
別にいいけど? そんなに照れることでもないじゃんか。ほら。
「…あったかい」

 結局、俺は雨上がりの夜道をトウマと手をつないだまま帰った。
トウマとつないだ手は、雨にうたれて冷えたのか
 それとも、アイツの温もりなのか……いつもよりあたたかかった。


End
 

 

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